ケアマネジャーの皆様、本日も「制度の壁」と「家族の熱意」の板挟み、お疲れ様です。
最近、訪問先でこんな一言を言われたことはありませんか? 「ネットで見たんだけど、これタダでできるんでしょ?」
今回は、そんなSNS全盛時代に翻弄される期待の若手(?)ケアマネ・田中茜さんの奮闘記を通して、私たち現場人間がどう立ち向かうべきかを考えてみましょう。
第1・2コマ:必殺の呪文「知らないケアマネは勉強不足」
漫画の冒頭、茜さんを襲ったのは「マッサージチェアが実質タダ」という、いかにも怪しいSNS情報。 我々プロからすれば「そんな訳ないだろ(対象外だわ!)」と秒速で突っ込みたいところですが、ここで家族から最悪の追撃が飛んできます。
「知らないケアマネは勉強不足って、インフルエンサーが言ってるわよ!」
これです。これ。この「勉強不足」というワード、ケアマネのMP(メンタルポイント)をゴリゴリ削る禁句ですよね。 真面目な茜さんならずとも、「え、私の知らない通知が昨日出たの…?」と一瞬不安になってしまうのが悲しい性。ネットのインフルエンサーは時に、制度の例外中の例外を「さも当然の権利」のように発信するため、現場との乖離がすさまじいことになります。
第3コマ:終わりのない「デマの火消し」地獄
3コマ目の茜さんを見てください。目が回っています。 本来、モニタリングの時間は「ご本人の状態変化」や「生活の課題」を話し合う貴重な時間。 しかし、ひとたびネットデマが介入すると、その時間は「制度の誤解を解くための無料講習会」へと変貌します。
「住宅改修は全額戻りません」「マッサージチェアは介護保険で買えません」……。 否定の言葉を繰り返すのは、精神を消耗します。特に茜さんのような「温和で断れないタイプ」にとって、この1時間はフルマラソン以上の疲労感でしょう。
第4コマ:茜さんの「超ポジティブ」に学ぶ、救いのメンタル術
しかし、ここで終わらないのが田中茜(30)の凄さです。 夕暮れの帰り道、彼女が気づいた真理。それは――
「娘さんは、お母さんに楽をさせてあげたかっただけなんだ」
という「動機」への着目です。 情報は間違っている。やり方も強引。でも、その根底にあるのは「親孝行したい」という善意。 茜さんは、「デマの内容」を否定しつつ、「家族の想い」は肯定するという、高等テクニックを無意識(?)に繰り出しました。
「リラックスさせたいなら、こんなデイサービスはどうでしょう?」 この切り返しこそが、AIにはできない、血の通ったケアマネジメントの真骨頂と言えるでしょう。
まとめ:ネット情報に振り回されないために
今回の茜さんの事例から学べる教訓は3つです。
-
「勉強不足」という言葉に怯えない:制度を歪曲して伝える方が悪いのです。
-
「制度の否定」と「想いの肯定」を分ける:やり方はNOでも、気持ちはYES。
-
茜さんのように最後は切り替える:帰りに美味しいものでも食べて、夕日を浴びてリセットしましょう。
SNSで「神情報」が流れるたびに、現場の負担は増える一方かもしれません。 ですが、茜さんのように「利用者のために情報を精査しようとする家族のエネルギー」を、正しい支援に変換していけるケアマネでありたいものですね。


