地域包括支援センターに配置されている職種とその役割について、噛み砕いて簡単に説明してみる【現役職員が明かす】

地域包括支援センターとは、市町村によっておよそ人口2~3万人の日常生活圏域に１つ設置されるとなっているけど、首都圏と地方では人口の密度が違うので「日常生活圏域」の広さが地域によって違いますよね。

圏域の端から端までの移動距離が短く、自転車で行き来できる程度の所もある一方、自動車を使っても圏域の端から端まで30分近くを要する圏域もあり、

今回の記事は、そんな地域包括支援センターに配置されている職種とその役割について、噛み砕いて簡単に説明してみよーって話です。

地域包括支援センターに配置されている3職種

地域包括支援センターの業務を行なうための専門職として、保健師、社会福祉士、主任ケアマネージャーが配置されているのは皆さんご存知のこと。それに加えて最近市町村によっては、4職種目の生活支援コーディネーターの配置が進んでいる地域包括支援センターもあります。

地域包括支援センターの保健師の役割

要介護高齢者のケアプランの検証や、困難ケースにおけるケアマネージャーへの助言などを介護予防ケアマネジメント業務としていますが、具体的には要支援認定を持つ利用者の予防給付を行なっているケアマネージャーのケアプランをチェックして、

「介護予防」の考え方をベースに計画が立てられているか？

を検証したりします。
　（※介護予防＝生活の質の向上を目指すって考え方らしいっす。）　

その他では、公民館などで介護予防に役立つ講座を開催する保健師の方もいれば、地域の高齢者が集うグランドゴルフサークルに顔を出して介護予防の蘊蓄を語った後、参加者を集めて「基本チェックリスト」を行ない、フレイル（虚弱）状態の地域の高齢者をいち早く発見、要介護状態にならないよう受診に繋げたり食事や運動など助言をしたり･･･ってな感じの業務をしていますね。

地域包括支援センターの社会福祉士の役割

地域には自治会や民生委員、社協委員やケアマネージャーの支援だけでは十分に問題が解決できなかったり、適切なサービスに繋がらなかったりと困難な状況の高齢者が結構いるわけで。

権利擁護とはそんな高齢者の方々を対象として安心して生活できるよう整えてあげるってっ事です。

上のようなケース、とにかく本人は今日も明日も不安でいっぱい。けどどうしていいかわからない。相談する先もわからない。
そんな高齢者を制度利用に繋げて「安心して」生活してもらえる環境を整えてあげるわけです。

こうして字面で並べると、まあ制度の知識があれば簡単な事なのでしょうが、実務になると様々なハードルが次々と現れて一筋縄じゃいかないのですよ。

地域包括支援センターの主任ケアマネージャーの役割

主任ケアマネの主な業務としては、包括的・継続的ケアマネジメント業務があります。

一言で言うと地域の医療と福祉に関わる事業所･専門職が円滑に連携を取って個々の高齢者の状況や変化に応じたケアマネジメントを包括的且つ継続的に行なうため、介護支援専門員（ケアマネージャー）に対し後方支援を行なう事･･･なんですが、

例えば、

• 関係機関（病院や福祉施設等々）・多職種（医師や看護師、PTや介護職員等々）との連携･協働関係の構築
• 地域のインフォーマルサービス（社協ボランティアやスーパーの無料宅配等々）との連携体制の整備したり
• ケアマネージャーの地域ネットワークづくり（ケアマネ会など開催して情報交換したり等）
• 地域のケアマネージャーの相談に乗って、困難なケースの問題解決方法を一緒に考えたり

などなど、地域、圏域のケアマネージャーの困っている事を抽出して、環境を整えたり、一緒に解決方法を考えたり･･･　
経験と知識が無いと、自分自身が困難にぶち当たるような大変な業務だなーって思います。

まとめ

以上、地域包括支援センターに配置されている職種とその役割について、筆者なりに噛み砕いて説明してみました。

• 「地域包括支援センターで働きたいなー」と考えている人や、
• 「地域包括支援センターに相談したいけど、どんな事が相談の対象になるのかわからない」と悩んでいる方、
• 「地域包括支援センターって一体何の仕事しよるんか？この税金泥棒！」と思っている人など

僅かながらでも業務の内容をイメージして頂けたらなあ･･･と思います。